7R TKO 【3000文字チャレンジ 7・平成】

 

カンカンカンカンカーーーーン!

 

高柳「はい、始まりました!

エキサイトマッチ!今日は生中継でお送りします!

 

今回は解説は浜田剛史さん、西岡利晃さん。

解説は私、高柳でお送りします!」

 

浜田「今回の対戦は、ちょっとよめないですなぁ。」

 

高柳「そうですねー。

あっ、入場です!!!」

 

高柳「まめてん選手、入場です。

今回は、米津玄師さんの『ピースサイン』

どうやら、毎日毎日聞いているそうですよ!

今回もノリノリで入場ー!」

 

高柳「平成選手、入場です。

ええと、平成選手ですが、平成のあれこれをパワーにしている選手です。

外見は、名脇役でハスキーな声のあの俳優さんにそっくりですね。

お名前を略すと、平成ですからね」

 

 

高柳「今回の見どころはどこでしょうか」

 

浜田「そうですねぇ、平成選手がどのような技を出すかが楽しみですなぁ」

 

西岡「平成もいろいろありましたね。

まめてん選手は、娘さんが幼稚園に入園して自由な時間が増えてきましたから。

トレーニングしてたでしょうね」

 

 

高柳「始まります!

今回はなんと、あの、マイケル・バッファーさんがリングアナウンスしてくださいます!

数々のビックマッチのリングアナウンサーを務めた、マイケル・バッファーさん。

なぜ、この試合のアナウンスを引き受けてくれたのでしょうね?」

 

西岡「今回が3000文字チャレンジのひとつの区切りということで、出てくださったそうですよ」

 

高柳「ほうほう。そういえば、UFCのリングアナウンサーのブルース・バッファーさんは、マイケル・バッファーさんの弟さんなんですよね」

 

 

マイケル・バッファー「Let’s  get ready to rumbie--------!!!」

 

わーーーーーーーーーーーーーー!

 

高柳「お約束のコールで盛り上がってきましたー!

おっ、まめてん選手も大喜びしていますね!

いよいよ、試合が始まります!」

 

 

カーーーン

 

高柳「両者、様子をみていますねー」

 

浜田「そうですねぇ」

 

カーーーン

 

高柳「1ラウンドは両者様子を見て終わりましたね」

 

 

カーーーン

 

高柳「2ラウンド始まりました

おおっ、まめてん選手が、また8の字を描き出しましたーーー!

デンプシーロールだーーー!」

 

浜田「うーん、やっぱり荒いですねぇ」

 

西岡「練習していなかったんでしょうね…」

 

高柳「平成選手、ここがチャンスですね!

おっ、軽くパンチを出しました!

んん?何ですか?手首をくねくねさせていますね?」

 

西岡「これはジュリアナで羽の扇子を持って踊っているみたいですね

この動きは読めないです」

 

浜田「まめてん選手、疲れてきましたか?動きが遅くなってきましたねぇ」

 

カーーーン

 

高柳「まめてん選手、パンチを打つ前に2ラウンドが終了してしまいましたー!」

 

浜田「ううーん、ちょっと戦略がイマイチですな。

このラウンドは10対9で平成選手です」

 

 

カーーーン

 

高柳「3ラウンド始まりました!

おおっ、平成選手またパンチ!

これは、早いですね!リニアモーターカー並みの速さのパンチ!」

 

浜田「まめてん選手、ちょっとダメージ受けてきましたな。

動きが鈍くなっていますねぇ」

 

カーーーン

 

高柳「ここまでどうですか?」

 

浜田「圧倒的に平成選手ですなぁ。まめてん選手、どうしたんでしょうか」

 

 

カーーーン

 

高柳「4ラウンド始まりました!

おおっ、また平成選手出たっ。

このステップは…横に動いていますね」

 

西岡「ちょっとけだるい感じですね。

この動きは、パラパラですか?」

 

浜田「パラパラ?」

 

西岡「左右に2ステップしながら、上半身は手や腕を動かすダンスですね」

 

高柳「一時期、大流行しました。

ガングロギャルが踊っていましたね

『見た目は子ども、頭脳は大人』の探偵くんも

アニメのエンディングで踊っていました!」

 

カーーーン

 

高柳「平成選手のパラパラパンチにはビックリしましたねー!」

 

西岡「けっこうトリッキーな技ですね」

 

浜田「パラパラ…」

 

 

カーーーン

 

高柳「5ラウンド始まりました!」

 

浜田「まめてん選手、このままだと危ないですねぇ。攻めていかないと」

 

高柳「おおーっ!まめてん選手、またまた8の字ーーー!

デンプシーロールかーーー!」

 

西岡「結構、勢いがついてきましたよ!」

 

浜田「おおっ、これはうまくいきそうですね!」

 

高柳「平成選手は、ガードを下にさげつつ、様子をみています!」

 

高柳「おーーーーーーーーっ!まめてん選手!

来たーーーーー!」

 

浜田「このフックはいいですな!」

 

西岡「平成選手、効いています!」

 

高柳「ここで、まめてん選手、攻め続けることができるのかーーー!

あーーっ、時間が!」

 

カーーーン

 

高柳「まめてん選手、やっとデンプシーロールが打てましたね!」

 

浜田「この前は一人ですべっていましたからねぇ」

 

西岡「でも、隙だらけでしたからね。

平成選手チャンスだったと思うのですが…」

 

浜田「このラウンドは、10対9でまめてん選手ですね」

 

西岡「私も10対9でまめてん選手です」

 

 

カーーーン

 

高柳「6ラウンド始まりました!

まめてん選手、ちょっとまだフラフラしていますね。

デンプシーロールの疲れが残っているのかー!」

 

浜田「平成選手、チャンスですね」

 

高柳「おおーーーーーっ!

平成選手のジャブーーー!

ジャブの連打ーーー!」

 

西岡「まるでスマートフォンをタッチするような軽さです。

一発一発は軽いですが、受け続けると効いてきそうですね」

 

高柳「まめてん選手、必死にガード!」

 

浜田「ガードが落ちてきましたねぇ、まずいですねぇ」

 

カーーーン

 

高柳「平成選手、素早いジャブでした!」

 

浜田「まめてん選手、だいぶダメージ受けましたねぇ

このラウンドも10対9で平成選手ですね」

 

西岡「私も10対9で、平成選手です」

 

 

カーーーン

 

高柳「7ラウンド始まり…

おおーーーーーーっ!

平成選手、すごいパンチだーーーーー!

上から下から攻撃ーーーーー!」

 

西岡「まるで、様々なことがあった平成をパンチで表しているようです!」

 

浜田「まめてん選手!ガードが下がってきていますな。

足も止まってきていますな!」

 

高柳「ああーーーっ!ついにダウンだーーーーー!

まめてん選手、ダウンーーーーー!

起きれるでしょうか!?」

 

西岡「なんとか、立ち上がろうとしていますね」

 

高柳「立ち上がったがーーー

平成選手!連打連打ーーーーー!

 

ああーーーっ、ここでストップーーー!

レフェリーストップーーー!」

 

 

 

 

ああ、負けてしまった、まめてんです。

平成選手、強かった…

 

平成、ほんとにいろいろありました。

イヤなことも、いいことも。

 

はぁ…

とりあえず、ゆっくり休んで

回復したら、三千文ジム(さんぜんもじむ)に行こう…

 

 

 

‐数日後‐

がちゃっ。

「おはようございます…」

ドアを開けたら、こぼりさんがいた。

 

「まめてんさん、もう大丈夫なの?

無理しないほうがいいよ!」

 

ああ、優しい。

さすが、気遣いの人。

 

こぼりさんは、ひたすら打ちまくるファイタースタイルのボクサー。

憧れのボクサー。

こぼりさんに憧れて、この三千文ジムに来た。

 

なにやら、ごそごそとロッカーの掃除をしているようだ。

 

「僕ね、武者修行してこようと思って」

 

へ?

 

「一旦、ジム辞めてあちこち行ってくるよ」

 

「ええ!?三千文ジム辞めちゃうんですか!」

 

「うん。

まあ、でもボクシング辞めるわけじゃないから。

またジムにも顔出すし」

 

そっか。

三千文ジムに入ったころから

気にかけてくれて

褒めてくれて

スパーリングの相手もしてもらった。

 

ジムからいなくなるけれど

ボクシングは続ける

またジムに来るって言ってるし。

 

こぼりさんは荷物を片手でひょいっと持ち

ジムの会長たちに挨拶をして

ドアを開け、颯爽と歩いていった。

 

ちょっとさみしい。

けど

私もがんばろう。

 

靴ひもをキュッときつく結んで立ち上がった。

 

 

 

 

 

 

最後まで、読んでいただきありがとうございました!